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はじめて使うマーシャルアンプ入門ガイド:ロックサウンドの扉を開く完全マニュアル

M-TOWN

ロックの象徴とも言える「マーシャルアンプ」。その重厚なサウンドと存在感に憧れながらも、「使い方が難しそう」「どれを選べばいいの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

マーシャルアンプは、はじめての人でも扱いやすいモデルがあり、基本を押さえればしっかりとした音を作ることができます。アンプの構造や操作方法を理解することで、マーシャルならではの力強いサウンドを自分のものにできます。はじめての挑戦でも、マーシャルアンプの魅力を存分に引き出すことは可能です。

さあ、マーシャルの轟音が鳴り響く世界へ、一緒に踏み出しましょう。

【この記事のポイント】

  • マーシャルアンプの基本構造と種類がわかる
  • はじめての音作りに役立つ設定例を紹介
  • ライブやスタジオでの実践的な使い方を解説
  • アンプとエフェクターの効果的な組み合わせ方を理解



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はじめてのマーシャルアンプ基本構造と特徴

マーシャルアンプとはどんな機材か

マーシャルアンプは、イギリスのマーシャル・アンプリフィケーション社が製造するギターアンプで、1962年に誕生して以来、世界中のギタリストに親しまれてきた機材です。ロックを中心に、ブルースやメタルなど幅広いジャンルで使用されており、独特の力強い歪みと中域の厚みが特徴です。

構造としては、アンプヘッドとスピーカーキャビネットを分離した「スタック型」と、アンプとスピーカーが一体になった「コンボ型」があります。スタック型はライブやスタジオでの使用に適しており、迫力ある音圧を生み出します。一方、コンボ型は持ち運びやすく、自宅練習や小規模な演奏環境に向いています。

マーシャルアンプの代表的なモデルには、JTM45やJCM800、DSLシリーズなどがあり、それぞれに異なる音色や機能が備わっています。特にJTM45は、フェンダーのBassmanを参考に開発された初期モデルで、マーシャルらしいサウンドの原点とされています。また、スタック型の象徴ともいえる「マーシャル・スタック」は、100Wのアンプヘッドと4×12インチスピーカーキャビネットを2段重ねた構成で、ロックライブの定番スタイルとして定着しています。

マーシャルアンプは、真空管を使用したモデルが多く、温かみのあるトーンと自然な歪みが得られる点が魅力です。その一方で、トランジスタやデジタルモデリングを採用したモデルもあり、初心者からプロまで幅広い層に対応しています。音作りの自由度が高く、エフェクターとの組み合わせによって多彩な表現が可能です。

ロックに愛される理由と歴史背景

マーシャルアンプがロックの象徴として語られるようになった背景には、その誕生から現在に至るまでの音楽史との深い関わりがあります。1962年、創業者ジム・マーシャルがロンドンで開発した初号機「JTM45」は、フェンダーのBassmanを参考にしながらも、英国製の部品を用いて独自のサウンドを生み出しました。中域に粘りのあるトーンと、荒々しく歪む音色が特徴で、これが後のロックサウンドの基盤となりました。

マーシャルアンプが一躍注目を集めたのは、ザ・フーのピート・タウンゼントがライブでの音圧を求めて100Wモデル「1959 SUPER LEAD 100」の開発を依頼したことがきっかけです。このモデルは、4×12インチスピーカーキャビネットを縦に積み重ねた「スタックスタイル」として定着し、マーシャルの代名詞となりました。

その後、ジミ・ヘンドリックスがマーシャルスタックを使用したことで、世界的な認知度が一気に高まりました。彼の爆音と表現力豊かなプレイは、マーシャルアンプのポテンシャルを最大限に引き出し、ロックギターの新たな可能性を示しました。さらに、エリック・クラプトンやジミー・ペイジなどのギタリストもマーシャルを愛用し、クラシックロックの黄金期を支える存在となりました。

1980年代には、JCM800シリーズが登場し、より高いゲインとシャープな歪みを備えたことで、ヘヴィメタルやパンクロックのギタリストにも支持されました。このモデルは、アイアン・メイデンやジューダス・プリーストなどのバンドによって広く使用され、マーシャルの音が新たな世代のロックを形作る一翼を担いました。

現在でも、JVMシリーズやDSLシリーズなどの進化したモデルが登場し、ライブやレコーディングの現場で活躍しています。マーシャルアンプは、時代ごとの音楽スタイルに対応しながらも、ブランドとしての音の個性を守り続けており、ロックの魂を宿す機材として多くのギタリストに選ばれています。

真空管とトランジスタの違い

マーシャルアンプには、音の増幅方式として「真空管」と「トランジスタ」の2種類があります。どちらも電気信号を増幅する役割を担っていますが、構造や音のキャラクター、扱い方に大きな違いがあります。

真空管アンプは、ガラス製の管の中で電流を流すことで信号を増幅します。この方式では、演奏者のタッチやニュアンスが音に反映されやすく、温かみのある柔らかい音色が得られます。特に歪みの質が自然で、音の粘りやコシがあるため、ロックやブルースなど表現力を重視するジャンルで好まれています。アンプ自体が歪みを生み出すため、エフェクターを使わずに迫力あるサウンドを作ることも可能です。

ただし、真空管アンプは繊細な構造をしており、使用時にはスタンバイ操作やウォームアップが必要です。また、真空管には寿命があり、定期的な交換やバイアス調整といったメンテナンスが求められます。待機中にノイズが発生することもありますが、これは構造上の特性であり故障ではありません。

一方、トランジスタアンプは半導体素子を使って信号を増幅します。構造が安定しており、電源を入れてすぐに使用できる手軽さが魅力です。音色はクリアで再現性が高く、周波数の幅も広いため、エフェクターとの組み合わせで多彩な音作りが可能です。価格も比較的安価で、メンテナンスの手間が少ないため、初心者や自宅練習用として選ばれることが多くあります。

ただし、トランジスタアンプは一定の入力を超えると急激に歪む傾向があり、歪みの質が硬くなりがちです。極端な設定では耳に痛い音になることもあるため、音作りには注意が必要です。

それぞれの方式にはメリットとデメリットがあり、用途や好みに応じて選ぶことが大切です。ロックらしい迫力と表現力を求めるなら真空管アンプ、扱いやすさと安定性を重視するならトランジスタアンプが適しています。

スタジオ常設モデルの種類と傾向

音楽スタジオに常設されているマーシャルアンプには、JCMシリーズやDSLシリーズが多く見られます。これらは、ロックを中心とした幅広いジャンルに対応できる汎用性と、音作りの自由度の高さから選ばれています。

JCMシリーズは、1980年代から続く定番モデルで、特にJCM800はハードロックやクラシックロックの象徴的なアンプとして知られています。シンプルな操作系統ながら、力強くガッツのある歪みが得られるため、多くのギタリストに支持されています。JCM900はより深い歪みを求める90年代の音楽シーンに合わせて登場し、JCM2000ではチャンネル切り替え機能が追加され、ライブでの使い勝手が向上しました。

DSLシリーズは、JCM2000の流れを汲むモデルで、「Dual Super Lead」の名の通り、クリーンとドライブの2チャンネル構成が特徴です。DSL40はその中でも特に人気が高く、スタジオやライブハウスに常設されていることが多いモデルです。中音域の押し出しが強く、ジャンルを問わず使いやすい音色が得られるため、初心者からベテランまで幅広く利用されています。

また、現行モデルではJVMシリーズも注目されています。複数のチャンネルとモードを備え、クリーンからハイゲインまで幅広い音作りが可能です。スタジオでは、エフェクターとの組み合わせや録音環境に応じた細かな調整が求められるため、こうした柔軟性のあるモデルが重宝されています。

スタジオ常設モデルの選定には、耐久性やメンテナンス性も重要な要素です。マーシャルアンプは堅牢な構造と安定した出力を持ち、長時間の使用にも耐える設計が施されているため、プロの現場でも安心して使用されています。

音の歪み方とジャンルとの相性

マーシャルアンプの歪みは、音の芯が太く、ミッドレンジが前に出る力強いキャラクターが特徴です。特にロックやメタルといったジャンルでは、ギターの存在感を際立たせるために、この歪みの質が重要な役割を果たします。

ハードロックやメタルでは、深く激しい歪みが求められるため、JCM800やJVMシリーズのようなハイゲイン対応モデルが好まれます。JCM800は、荒々しくも輪郭のはっきりした歪みが得られ、ギターソロやリフに迫力を与えます。JVMシリーズは複数のチャンネルとモードを備えており、クリーンから超ハイゲインまで幅広い音作りが可能です。特にJVMのオレンジモード以降では、強烈な歪みが得られる一方で、ノイズ対策としてノイズゲートの併用が推奨される場面もあります。

一方、ブルースやクラシックロックでは、クランチ気味の歪みが心地よく、真空管アンプの自然な歪みが活かされます。JTM45やJCM900などは、ピッキングのニュアンスを繊細に反映し、表現力豊かなサウンドが得られます。軽く歪ませた状態でコードを鳴らすと、音の粒立ちが良く、温かみのあるトーンが響きます。

ジャンルによって求められる歪みの質は異なり、アンプのモデル選びや設定が重要になります。例えば、メタルではゲインを高めに設定し、ミッドをやや抑えることで鋭いサウンドが得られます。逆に、ブルースではゲインを控えめにし、ミッドを強調することで、粘りのあるトーンが生まれます。

マーシャルアンプは、歪みの質が荒々しく、音の立ち上がりが速いため、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくく、ギターの存在感をしっかりと保つことができます。そのため、ライブやスタジオでも安定したサウンドを提供できる機材として、多くのギタリストに選ばれています。

初心者が知っておくべき注意点

マーシャルアンプを初めて使う際には、いくつかの基本的な注意点を押さえておくことが重要です。特に真空管モデルは構造が繊細で、扱い方を誤ると故障につながる可能性があります。

まず、電源の入れ方には順序があります。真空管アンプの場合、電源スイッチを入れた後、すぐにスタンバイスイッチをオンにせず、2〜3分ほど真空管を温める時間を取る必要があります。このウォームアップを省略すると、真空管に負担がかかり、寿命を縮める原因になります。スタンバイをオンにするのは、真空管が十分に温まってからです。

EQ(イコライザー)の設定も慎重に行う必要があります。初期設定では、Treble、Middle、Bassの各つまみを12時の位置(フラット)にしておくのが基本です。そこから音の傾向を聴きながら微調整していきます。EQの設定によって音量や音質が大きく変化するため、いきなり極端な設定にせず、少しずつ調整することが安全です。

ボリュームとゲインの関係にも注意が必要です。ゲインを上げすぎると、歪みが強くなりすぎて音が潰れてしまうことがあります。また、ボリュームを上げたまま電源を入れると、突然大音量が出てしまい、機材や耳に負担をかけることになります。電源を入れる前には、すべてのつまみをゼロにしておくのが基本です。

使用後の電源の切り方にも手順があります。まず、スタンバイスイッチをオフにし、すべてのつまみをゼロに戻してから電源を切ります。その後、シールドを抜くようにします。シールドを先に抜いてしまうと、大きなノイズが発生し、アンプやスピーカーに負担がかかるだけでなく、周囲の人を驚かせてしまうこともあります。

さらに、スタジオで使用する際には、アンプの背面にあるコンセントがしっかり接続されているかを確認することも忘れてはいけません。意外と多いトラブルが、電源が入らないという初歩的なミスです。また、スピーカーとの接続には専用のスピーカーケーブルを使用し、インピーダンス(Ω)の設定が一致しているかも確認する必要があります。

これらの基本操作や注意点を事前に理解しておくことで、マーシャルアンプの魅力を安全かつ効果的に引き出すことができます。

電源の入れ方とスタンバイ操作の手順

マーシャルの真空管アンプを使用する際は、電源の入れ方とスタンバイ操作の順序を正しく守ることが重要です。これにより、機材への負担を減らし、長く安定した使用が可能になります。

まず、アンプの背面にある電源ケーブルがしっかり接続されていることを確認します。ギターとアンプをシールドで接続したら、すべてのつまみをゼロにしておきます。次に、電源スイッチをオンにします。この時点ではスタンバイスイッチはオフのままにしておきます。

電源を入れた後は、真空管が温まるまで最低1分、できれば2〜3分ほど待ちます。このウォームアップ時間は、真空管の寿命を保ち、安定した動作を確保するために必要です。待機中にチューニングやエフェクターの接続など、演奏準備を進めると効率的です。

ウォームアップが完了したら、スタンバイスイッチをオンにします。これでアンプが演奏可能な状態になります。音を出す前に、EQやゲイン、マスターボリュームなどのつまみを徐々に上げていき、音量や音質を調整します。

演奏が終わったら、まずスタンバイスイッチをオフにします。スタンバイを切った後も数秒間は音が出ることがありますが、これは正常な動作です。音が完全に止まったことを確認したら、電源スイッチをオフにします。最後に、すべてのつまみをゼロに戻し、シールドを抜いて終了です。

トランジスタモデルの場合はスタンバイ操作が不要です。電源を入れる前にボリュームを下げておくことで、急激な音量変化を防ぐことができます。電源を切る際も、つまみをゼロにしてから電源をオフにし、シールドを抜くという流れは共通です。

この一連の手順を守ることで、アンプの故障リスクを減らし、快適な演奏環境を保つことができます。

はじめてのマーシャルアンプ音作りの基本

EQ(イコライザー)の役割と調整方法

マーシャルアンプに搭載されているEQ(イコライザー)は、音の輪郭やバランスを整えるための重要な機能です。基本的には、Treble(高音域)、Middle(中音域)、Bass(低音域)の3つのつまみで構成されており、モデルによってはPresence(超高音域)やResonance(超低音域)などの追加項目がある場合もあります。

Trebleは音の抜けや鋭さに影響し、上げることで明るくシャープな印象になります。ただし、上げすぎると耳に刺さるようなキンキンした音になるため、ギターの種類や演奏環境に応じて控えめに設定することがポイントです。

Middleは音の厚みや存在感を左右する帯域で、マーシャルアンプの特徴的なサウンドを作る上で特に重要です。中音域を強調することで、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくく、ギターの輪郭がはっきりと浮かび上がります。ロック系のサウンドではMiddleをやや強めに設定することで、力強く押し出しのある音になります。

Bassは重低音を担う帯域で、音の太さや深みを加える役割があります。上げすぎるとモコモコした音になり、抜けが悪くなることがあるため、ギターのボディやピックアップの特性に合わせて調整することが大切です。特にハムバッカー搭載のギターでは、低音が出やすいため、Bassは控えめに設定する傾向があります。

Presenceは高音域の輪郭をさらに際立たせるための調整項目で、ライブなど大音量環境での音抜けを改善する際に有効です。Resonanceは低音の振動感を強調する機能で、音の迫力を増したいときに活用されます。

EQの調整は、ギターの種類(シングルコイルかハムバッカーか)、演奏するジャンル、使用するアンプモデル、さらには演奏する場所(スタジオかライブハウスか)によって最適なバランスが異なります。基本的には、すべてのつまみを12時の位置(中央)に設定した状態からスタートし、少しずつ調整していく方法が安全です。

マーシャルアンプでは、EQの反応が鋭いため、わずかな調整でも音が大きく変化します。そのため、極端な設定は避け、少しずつ音を聴きながら調整することが、理想的なサウンドを作る近道になります。

クリーン・クランチ・ハイゲインの違い

マーシャルアンプで得られる音色は、ゲインの設定によって大きく変化します。代表的な3つのサウンド「クリーン」「クランチ」「ハイゲイン」は、それぞれ異なるキャラクターを持ち、ジャンルや演奏スタイルに応じて使い分けられています。

クリーンは、歪みのない澄んだ音色で、ギター本来のトーンをそのまま活かすことができます。マーシャルアンプでは、ゲインを抑えめに設定することで、ウォームでナチュラルなクリーンサウンドが得られます。ただし、フェンダー系アンプのようなきらびやかで透明感のあるクリーンとは異なり、やや厚みのある音色になる傾向があります。ジャズやポップス、バラードなど、繊細な表現を求める場面で活躍します。

クランチは、軽い歪みが加わった状態で、ピッキングの強弱によって音のニュアンスが変化しやすいのが特徴です。マーシャルアンプでは、ゲインを中程度に設定することで、ジャキジャキとした切れ味のあるクランチサウンドが得られます。ブルースやクラシックロックなど、表現力を重視するジャンルで好まれ、コードを鳴らしたときの粒立ちや、ソロの立体感が際立ちます。

ハイゲインは、深く歪んだ迫力のあるサウンドで、ゲインを高めに設定することで得られます。マーシャルのJCM900やJVMシリーズなどでは、太く粘りのあるディストーションが得られ、メタルやハードロックに最適です。サステインが長く、リフやソロに厚みと存在感を与えるため、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくい音になります。ハイゲイン状態ではノイズも増えやすいため、ノイズゲートの併用が推奨されることもあります。

これらの音色は、アンプのチャンネル切り替えやゲインノブの調整によって自在にコントロールできます。さらに、ギター側のボリュームやピックアップの種類、エフェクターの使用によっても音のキャラクターは変化します。演奏するジャンルや求める表現に応じて、最適なセッティングを見つけることが、マーシャルアンプを使いこなす第一歩です。

音作りに使える基本セッティング例2

マーシャルアンプで音作りを始める際、まずはジャンルや演奏スタイルに合わせた基本セッティングを試すことが効果的です。ここでは、クランチ向けとハイゲイン向けの2つの例を紹介します。

1つ目はクランチ向けのセッティングです。ゲインを4〜5に設定することで、軽い歪みが加わり、ピッキングのニュアンスが音に反映されやすくなります。Middleは6で中音域をしっかり押し出し、Trebleは5で高音の抜けを確保します。Bassは4程度に抑えることで、低音が過剰にならず、バンドアンサンブルの中でもすっきりとした印象になります。このセッティングはブルースやクラシックロックなど、表現力を重視するジャンルに適しています。

2つ目はハイゲイン向けのセッティングです。ゲインを8〜9まで上げることで、深い歪みが得られ、迫力のあるサウンドになります。Middleは5でバランスを保ちつつ、Trebleは6で高音の輪郭を強調します。Bassは6に設定することで、音に厚みと重みが加わり、メタルやハードロックなどのジャンルに適した力強いトーンが得られます。ハイゲイン状態ではノイズが増えやすいため、必要に応じてノイズゲート系のエフェクターを併用するのも有効です。

どちらのセッティングも、アンプのモデルやギターの種類、使用するピックアップによって微調整が必要です。例えば、シングルコイル搭載のギターではTrebleを控えめに、ハムバッカーではBassを抑えるなど、楽器の特性に合わせた調整が求められます。また、演奏する環境(スタジオ、ライブハウス、自宅)によっても音の響き方が変わるため、実際に音を出しながら耳で確認することが大切です。

エフェクターとの組み合わせ方

マーシャルアンプは、エフェクターとの組み合わせによって音作りの幅が大きく広がるアンプです。特に歪み系や空間系のエフェクターとの相性が良く、アンプ本来のサウンドに深みや広がりを加えることができます。

歪み系エフェクターでは、オーバードライブやディストーションが定番です。アンプのゲインを中程度に設定し、軽く歪ませた状態にエフェクターの歪みを加えることで、厚みのあるサウンドが得られます。アンプ側で完全に歪ませるよりも、クランチ状態をベースにしてエフェクターで補う方が、音の輪郭が保たれやすく、表現力も高まります。特にJCM800などゲインが控えめなモデルでは、歪みエフェクターの活用が効果的です。

空間系エフェクターでは、ディレイやリバーブがよく使われます。これらは音に残響や奥行きを加える役割があり、ソロプレイやバラードなどでの演奏に適しています。エフェクトループが搭載されているマーシャルアンプでは、空間系エフェクターをループに接続することで、アンプの歪みを損なわずにエフェクトをかけることができます。ループに接続することで、エフェクターがプリアンプの後段に配置されるため、より自然な効果が得られます。

また、ブースター系のエフェクターを使うことで、ソロ時に音量や歪みを一時的に持ち上げることも可能です。クリーンブースターを使えば、音質を変えずに音量だけを上げることができ、オーバードライブブースターを使えば、歪みを強調してアグレッシブなサウンドに切り替えることができます。

エフェクターの接続順にも工夫が必要です。一般的には、歪み系をギターの直後に、空間系をアンプの後段(エフェクトループ)に配置することで、音の分離感と明瞭さが保たれます。マルチエフェクターを使用する場合は、プリセットの中で接続順を調整できる機能があるため、好みに応じて最適な構成を探ることができます。

マーシャルアンプは、アンプ単体でも十分なキャラクターを持っていますが、エフェクターを組み合わせることで、より多彩な音色や表現が可能になります。演奏するジャンルや楽曲に合わせて、エフェクターの種類や使い方を工夫することが、音作りの楽しさにつながります。

音量調整とゲインのバランス

マーシャルアンプでは、音量と歪みの関係を理解することが、理想的なサウンドを作るための鍵になります。特に、Master VolumeとGainのバランスをどう取るかによって、音の質感や演奏時の扱いやすさが大きく変わります。

ゲインは、プリアンプ部での信号の増幅量を調整するつまみで、上げるほど歪みが強くなり、音に厚みや荒々しさが加わります。ロックやメタルなど、歪みを活かしたジャンルでは高めに設定されることが多く、ピッキングの強弱によって音の表情が豊かになります。

一方、Master Volumeはパワーアンプ部の出力を調整するつまみで、純粋に音量をコントロールします。ゲインで作った音色を、スピーカーにどれだけの音圧で出力するかを決める役割です。音量を上げることで、アンプのキャビネットがしっかり鳴り、空間全体に音が広がる感覚が得られます。

小音量でもしっかり歪ませたい場合は、ゲインを高めに設定し、Master Volumeを抑える方法が有効です。この設定では、アンプの歪み成分はしっかり得られつつ、音量は控えめに保たれるため、自宅練習や小規模なスタジオでも使いやすくなります。ただし、音圧が不足することで音の迫力がやや落ちることもあるため、必要に応じてエフェクターで補うのも一つの手です。

逆に、クリーントーンを求める場合は、ゲインを控えめにし、Master Volumeを上げることで、歪みを抑えつつ十分な音量を確保できます。JCMシリーズなどでは、ゲインが高すぎるとすぐに歪み始めるため、クリーンを維持したい場合は慎重な調整が必要です。

また、マーシャルアンプでは、チャンネルごとにVolume(チャンネルボリューム)が独立しているモデルもあり、Master Volumeとの組み合わせでさらに細かい音量調整が可能です。音作りが完成したら、最後にMaster Volumeで全体の音量を微調整するのが一般的な流れです。

このように、ゲインと音量の関係を理解し、状況に応じてバランスを取ることで、マーシャルアンプの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

ライブやスタジオでの実践的な使い方

マーシャルアンプは、ライブやスタジオの現場で高い信頼性と存在感を発揮する機材です。音の輪郭がはっきりしており、バンド全体の中でもギターの音が埋もれにくく、しっかりと前に出るサウンドが得られます。

ライブで使用する際は、ステージの広さやPAシステムとのバランスを考慮して音量を調整することが重要です。マーシャルアンプは出力が大きいため、ステージ上での音量が過剰になると、PAとのかぶりや音の飽和が起こることがあります。そのため、アンプのMaster Volumeは控えめに設定し、必要に応じてマイクで拾ってPAに送る方法が一般的です。特にJCM2000やJVMシリーズなどは、フットスイッチによるチャンネル切り替えが可能で、クリーンからリードまでの音色を瞬時に切り替えられるため、ライブでの使い勝手が向上します。

スタジオでの使用では、録音環境に合わせてEQやゲインの設定を細かく調整することが求められます。マーシャルアンプは中音域が強く、音の芯がしっかりしているため、録音時には他の楽器と混ざり合ってもギターの存在感が保たれます。JCM2000 DSLモデルなどでは、クラシックゲインチャンネルとウルトラゲインチャンネルを使い分けることで、クランチからハイゲインまで幅広い音作りが可能です。録音では、アンプの近くと遠くで音の聴こえ方が異なるため、マイクの位置や種類を工夫することで、より理想的なトーンが得られます。

また、スタジオではエフェクトループを活用することで、空間系エフェクターを効果的に使うことができます。ディレイやリバーブをループに接続することで、アンプの歪みを損なわずに自然な残響を加えることができ、録音のクオリティが向上します。

マーシャルアンプは、ライブでもスタジオでも、音作りの自由度と操作性に優れており、ギタリストの表現力を最大限に引き出すことができる機材です。現場の状況に応じたセッティングと運用を心がけることで、その魅力を存分に活かすことができます。

はじめてのマーシャルアンプを使いこなすための総まとめ

  • マーシャルアンプはロック定番の英国製ギターアンプ
  • はじめて使うなら構造と種類を理解することが重要
  • 真空管は温かみのある自然な歪みが得られる
  • トランジスタは安定性と扱いやすさが魅力
  • スタジオ常設モデルはJCMやDSLシリーズが主流
  • 歪みの質はジャンルに応じてモデル選びが必要
  • 初心者はEQやゲインの調整に注意が必要
  • 電源投入時はスタンバイ操作の順序を守る
  • EQはTreble Middle Bassの3帯域で調整する
  • クリーンは澄んだ音 クランチは軽い歪みが特徴
  • ハイゲインは深い歪みで迫力あるサウンドを演出
  • クランチとハイゲインの基本セッティングを把握する
  • エフェクターは歪み系と空間系の使い分けが効果的
  • 音量とゲインのバランスで歪みと音圧を調整する
  • ライブやスタジオでは環境に応じた設定が必要

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